
作家50人がそれぞれの「人生の一冊」を語るブックガイド。本との再会の記憶を集めた、読書をめぐる随想集である。表紙は淡いグレーの地に、藍一色で描かれた一冊の本のイラストが置かれる。開かれた頁には猫や植物が伸びやかに躍り、紙の束は厚みをもって積み重なる。明朝のタイトルは余白を大きくとって組まれ、下方には「本は帰ってくる。」の一文が静かに据えられている。手描きの線と単色刷りの軽やかさが、頁をひらき直す行為のなつかしさをそのまま画面に呼び戻している。
著尾崎世界観
装丁古屋郁美
文藝春秋 / 2019年
文学・評論