
身体や性をめぐる女性たちの揺らぎを、静かに、しかし容赦なく描き出す短篇集。鮮やかな山吹色の地に、振り向く女性のバストアップを置いた水彩タッチのイラストレーション。ボブの髪はグレーの濃淡で陰影をつけ、視線はやや警戒気味にこちらを捉える。赤と灰の三角が散る幾何学柄のノースリーブが画面の中央を占め、剥き出しの肩や首筋の白さが際立つ。題字と著者名は素朴な手書き風で左に縦組み。装いの強さと表情の翳りが、「裸」という言葉のもう一つの意味を静かに照らし返している。
著彩瀬まる
装丁新潮社装幀室
装画丹地陽子
新潮社 / 2019年
文学・評論