
小説家と歌人による掌編と短歌を組み合わせた連作集。少年時代の郷愁と、その向こうに広がる宇宙的な気配を、軽やかに往復する一冊である。表紙は手描きのイラストレーションで、夕焼けに染まる工場地帯を背景に、しゃがみ込む少年と立ちすくむ少年を据える。背後には巨大な歯車が黒くせり出し、空には小さな星と工場の煙突が点景として散らされている。タイトルは黄色の手書き調で大きく縦に組まれ、少年たちの黄色いシャツと呼応する。日常の路地裏と機械仕掛けの宇宙が地続きであることを、絵そのものが静かに告げている装丁である。

著EverettPercival、木原善彦
装丁鈴木成一デザイン室
装画吉田雨水
河出書房新社 / 2025年
文学・評論