
17世紀ロンドンを襲ったペスト禍を、生存者の手記として再構成したデフォーの古典。市井の人々が疫病とどう向き合い、街がいかに変貌していったかを克明に綴った記録文学の新訳である。カバーは茶褐色を基調にした古典絵画を大きく配し、倒れ伏す人々と馬上の人物が交錯する陰鬱な情景をそのまま見せる。表側にはタイトルを縦に大きく刻み、白抜きの英題と訳者名が静かに添えられる。下部には朱赤の帯が太く巻かれ、白と黄の見出し文字が緊張感を立ち上げる。絵画の重さと帯の鋭さが、過去の疫病を「いま」として読み直す構えを物語っている。

著EverettPercival、木原善彦
装丁鈴木成一デザイン室
装画吉田雨水
河出書房新社 / 2025年
文学・評論