
歌人が小説家・漫画家・翻訳家・俳人ら十六人の「気になるあの人」と短歌をめぐって語り合う対談集。淡いグレーの壁を背に、著者がひとり腰かけ、傍らに無人の木製スツールや椅子が間を置いて並ぶ写真が大胆に使われている。空席は次に訪れる対話者を待っているようでもあり、誌面下部には十六人の名前と肩書きが整然と二段組で配置される。タイトルは縦組みの白地短冊に細い明朝で抜かれ、写真の静けさと響き合う。誰かを待つ椅子という装画的な記号が、ことばを介した出会いの本という主題をそのまま立ち上がらせている。
著貴志謙介
装丁水戸部功
NHK出版 / 2018年
ノンフィクション