
恋愛感情を抱かないアロマンティック・アセクシュアルの男女が、恋人でも家族でもない「家族(かぞく)」として共同生活を始める物語。同名ドラマのノベライズで、既存の関係の枠に収まらないふたりの距離を丁寧に描く。鮮やかな黄色を背景に、線画タッチで描かれた男女がキャベツをそっと受け渡す構図。ストライプのシャツと水玉のブラウス、互いに視線を交わさず手元だけがつながる様子が、恋ではない結びつきの軽やかさを示している。日常の一場面を切り取った装画が、関係性の新しい呼び名を静かに提示する。

著望月麻衣
装丁bookwall
装画いとうあつき
ポプラ社 / 2023年
文学・評論