
紀元前ギリシャ・ローマの古典作品を題材に、中高生と語り合った五日間の授業を記録した一冊。法とデモクラシーの根底にある原理を、追いつめられたたった一人を守るための思考として丁寧にたどっていく。表紙は、淡いベージュやグレー、くすんだ青の面が縦に切り貼りされたコラージュ調で、紙片や布の質感を思わせる柔らかなテクスチャが重なる。明朝体のタイトルのなかで「法」の一字だけが青く沈み、静かに主題を指し示す。重ねられた断片のあわいから言葉を立ち上げる構成が、原理を一枚ずつ掘り起こす本書の手つきと響き合う。

著EverettPercival、木原善彦
装丁鈴木成一デザイン室
装画吉田雨水
河出書房新社 / 2025年
文学・評論