一覧に戻る文学・評論何もかも憂鬱な夜に中村文則若い刑務官と少年死刑囚との対話を通して、罪と生のかすかな光を見つめる長篇。深い藍と群青に塗り込められた夜の海辺、ビニール傘を差して佇む人物のうしろに、水平線の僅かな茜色だけが残る絵画的な写真がカバーを覆う。タイトルは白の明朝で大きく天に置かれ、画面下半分の闇と拮抗する。著者名は朱に近い赤で小さく添えられ、暮れ残る光と呼応する。憂鬱の語感を、夜と微光の温度差そのもので示した一冊。About出版社集英社出版年2012年判型文庫ジャンル文学・評論Credits装丁成見紀子装画永石晶子Amazonで見る