
南国の島へ赴いた弁護士・さえこが、現地の少年とともに難事件に向き合う法廷ミステリー。表紙はイラストレーションで、ジャケットを羽織り腰に手を当てて立つ女性と、その傍らに佇むアロハシャツの少年を、生い茂る椰子の葉と常緑の茂みを背景に描き出す。タイトルは天秤の意匠を添えた鮮やかな黄色の円形地に黒の明朝で抜かれ、緑の濃淡のなかで標識のように際立つ。凛とした人物像と熱帯の植生、そして法の象徴を一画面に束ね、異郷で正義を担う物語の予感を端正に伝える装丁である。

著望月麻衣
装丁bookwall
装画いとうあつき
ポプラ社 / 2023年
文学・評論