
池袋に出現したカジノ特区を舞台に、UNOで七億円を取り返そうとする若者たちの企てを描く長編シリーズの第一巻。表紙は深紅を基調に、黒いスーツ姿の青年がカジノテーブルを見下ろす俯瞰構図で、舞い散る紙幣、積み上がったチップ、転がるグラスがダイナミックに配される。タイトルは大ぶりの明朝で中央に据え、白抜きの欧文ロゴと括弧つきの副題が秩序を与えている。賭場の混沌と端正な書体組みの対比が、軽妙さの奥に潜む緊張を予感させる装丁になっている。

著渡辺淳子
装丁鈴木久美
装画マメイケダ
光文社 / 2020年
文学・評論