
ニューヨークを舞台に、自意識をこじらせた青年が異国の街で右往左往する物語。著者の代表作のひとつで、虚勢と本音のあいだで揺れる「私」の独白が、観光地の喧騒とともに描かれていく。表紙には高層ビルが並ぶ青空の街並みと、行き交う黄色いタクシー、横断歩道が、太い輪郭線と原色で大胆に描かれた一枚絵が広がる。その上にタイトル文字が白抜きの赤縁で大きく重ねられ、絵と文字が舞台装置のように画面を分け合う。賑やかな絵と張り出した題字の組み合わせが、物語の過剰な自意識そのものを表紙へ立ち上げている。

著EverettPercival、木原善彦
装丁鈴木成一デザイン室
装画吉田雨水
河出書房新社 / 2025年
文学・評論