
ロシア文学の奇才ブルガーコフによる二篇を収録した一冊。人体実験で犬から人へと変えられた男を描く「犬の心臓」と、巨大化光線が引き起こす災厄を綴る「運命の卵」。風刺と幻想が交錯する物語が並ぶ。表紙はくすんだ茶を基調に、繊細な線で描かれた二人の人物像が立つ。白衣の男と、犬の頭を持つ男。背景には植物模様の壁紙と古びた家具が淡くあしらわれ、革命期ロシアの室内を思わせる。タイトルは右肩に静かに配され、人物の余白がそのまま物語の不穏さに通じている。
著CroninMarianne、村松潔
装画Joe Ichimura
新潮社 / 2022年
文学・評論