
人類初の宇宙飛行士ガガーリンの栄光と悲哀を、フランス人作家が連作短編で描いた一冊。1961年の歓呼から7年後の事故死までを辿り、英雄に仕立て上げられた一人の男の人生を静かに照らし出す。表紙は深い夜空のような黒地に、青と赤茶で区切られた室内空間を構成。月のような白い天体と、椅子に座る男・カメラを構える人物・遠くに佇む小さな影が幾何学的なイラストで配され、フラットな色面と粒状のテクスチャが冷戦下の硬質な空気を伝える。タイトルの白とキャプションのターコイズが、孤独な明星のささやかな光のように浮かび上がる。

著ミラン・クンデラ、西永良成
装丁田中久子
装画横山雄
集英社 / 2024年
文学・評論