
連句会という小さな集いに居場所を見出した一葉の、新たな縁と仕事をめぐる物語。続々重版の人気シリーズ第二弾で、悲しみに寄り添う温かな涙が静かに流れる。淡い藤色を地にして、伸びやかな枝葉と小さな実が画面全体を覆い、黄色いワンピースの女性が後ろ姿で佇む。上空には白い月が浮かび、孤独と希望が同じ夜気のなかに溶け合う。題字は白い短冊状の枠に整然と置かれ、絵の柔らかさと程よい緊張をつくる。植物に守られるような構図が、言葉を紡ぎ直す静かな再生の時間を映し出している。

著ミラン・クンデラ、西永良成
装丁田中久子
装画横山雄
集英社 / 2024年
文学・評論