
1992年ロサンゼルス暴動を背景に、裕福な黒人家庭に育つ少女が「あたしたち」と「あいつら」のあいだで揺れながら自分のルーツと向き合う青春小説。漆黒の地に、紫やピンクのハイライトをまとった巻き髪の少女がイラストで大きく描かれ、タイトルはネオンピンクの筆記体で軽やかに踊る。サングラスのレンズには燃え盛る椰子の街並みが映り込み、目元はあえて隠されている。鮮やかな色彩と暗い反射像の対比が、十代の眩しさとその裏で進行する分断とを、一枚の顔の上に静かに重ねている。

著川奈まり子
装丁アルビレオ
カバー写真高島空太+Kuta Takashima
晶文社 / 2017年
文学・評論