
土偶は植物の姿をかたどったものではないか――そんな仮説を起点に、縄文時代の精神世界へ分け入っていく一冊。考古学のみならず人類学や神話学を横断して、長らく未解明だった造形の意味を読み直していく試みである。表紙では、白地に大きく置かれた明朝の「土偶を読む」の文字の間に、土偶の顔と木の実の写真が「=!」で結ばれ、仮説そのものが図像として提示される。下半分には帯のマゼンタの活字が重なり合い、文字の遊びと学術的射程の双方を一枚に圧縮している。
著尾崎世界観
装丁古屋郁美
文藝春秋 / 2019年
文学・評論