
コロンビアの架空の村マコンドを舞台に、ブエンディア家七代にわたる栄枯盛衰を描いたラテンアメリカ文学の金字塔。深い黒地に黄金色を効かせ、帽子をかぶった男、雄牛、軍服姿の人物、鶏、蘭、バナナ、天体観測の道具など、物語に登場するモチーフが額装絵のように整然と並ぶ。縁には民族的な幾何文様、上部の枠内に白抜きの題字とスペイン語原題が収められ、博物図譜と祭壇画の中間のような佇まいだ。一族の記憶を陳列するアーカイブとして、表紙それ自体が小さな百年を編んでいる。

著古野まほろ
装丁川谷康久
装画清原紘
新潮社 / 2019年
文学・評論