
赤字三セクの再生をめぐる人間ドラマを、ユーモアと熱量で描く長編小説。白地のカバーに、朱色のディーゼル車両と祝祭的な紙吹雪を散らしたイラストレーションが据えられ、駅員、町の人々、踏み台の上で号令をかける若い女性の姿が軽やかな線で並ぶ。タイトルは黒の太い和文書体で大きく組まれ、感嘆符だけを朱色に抜くことで車両の色と呼応させている。装丁全体が一枚のささやかな門出の風景となり、ローカル線を「みんなで動かす」物語の体温を表紙の段階で過不足なく伝えてくる。
著桂望実
装丁高柳雅人
装画Jiwoon Pak
光文社 / 2022年
文学・評論