
家族写真とは何か」を、自身の作品と実践から繰り返し問い直してきた写真家による一冊。タイトルの鉤括弧の中は空白のまま読者に手渡され、家族という主題の不確かさそのものが書名になっている。表紙は白地を大きく取り、明朝体の縦組みで「家族写真は『 』である。」と置く構成。中央には屋外で家族らしき人々が思い思いに座り、立つカラー写真が小さく差し込まれ、青空と養蜂服のような白、黄色い長靴の鮮やかさが余白に浮かぶ。書名の空白と、写真の中の生活の手ざわりが、互いの余白を埋め合っている。
著大前粟生
装丁漆原悠一
亜紀書房 / 2021年
絵本・児童書