
自閉症児は方言を話さない」という臨床現場での気づきから、ことばの獲得をめぐる謎へと分け入っていく一冊。淡い水色の地に、青い髪の子どもと、ピンク・黄・水色のやわらかな塊が寄り添うように重なる表紙。輪郭だけで描かれた素朴なタッチと、パステルの配色が、繊細なテーマを構えずに受け止めている。タイトルでは「津軽弁」の三文字だけが鮮やかな黄に染め抜かれ、共通語と方言のあわいで揺れる声の在りかを、静かに指し示すかのようだ。
著小松和彦、宮原葉月
装丁小口翔平+畑中茜+三沢稜
KADOKAWA / 2021年
人文・思想