
架空の独裁国家アデスタを舞台に、緊張と暴力の予感を静かに描き出すトマス・フラナガンの短篇集。淡い水色の斜めストライプを背景に、雪のなかをヘッドライトを灯して走る黒い車のイラストが配され、画面中央には粒子の粗い黒の太い×印が交差する。タイトルは明朝で大きく組まれ、原題と訳者名が控えめに添えられた構成。寒色と粗い質感、進入を拒むような×の記号が、物語の冷たい風と不穏な気配を視覚に置き換えている。

著Groen、Hendrik、長山、さき
装丁篠田直樹
装画Victor Meijer
集英社 / 2018年
文学・評論