
高校生詩人・坂下あたるを中心に、SNSと文学、創作と承認をめぐる青春の揺らぎを描いた長編。表紙は淡い緑と青を帯びた人物が手元のスマートフォンを見つめる構図で、背景には深い夜空と星々、足元には砕けたような幾何学的な断片が広がる。人物の輪郭はにじむように滲み、現実と内面が溶け合うようなイラストレーションが、二段組で縦に置かれた明朝のタイトルと響き合う。手のひらの小さな光と頭上に広がる宇宙が一枚の中で同居し、しじょう=詩情/市場をめぐる物語の射程をそのまま視覚化している。

著又吉直樹、堀本裕樹
装丁アルビレオ
装画曽根愛
カバー写真前康輔
集英社 / 2015年
文学・評論