
頑張るほど空回りしてしまう日々や、あとから可笑しさと愛おしさに変わる瞬間をすくい上げた、40篇からなる初のエッセイ集。都会で暮らす不器用さを、悲観とユーモアのあわいからまっすぐに見つめる。淡い青の空と白い高架を大きく取り、点景の人物と建物を上下に離した表紙は、日常のなかでふと立ち止まる感覚を映す。縦組みの白い題名を空へ浮かせた軽やかな文字設計と、紙の質感を残す装画が、ささやかな失敗を記憶へ変える本の温度を静かに伝えている。

著菊竹胡乃美
装丁成原亜美
装画安藤智
書肆侃侃房 / 2023年
文学・評論