
恵泉女学園を創立した河井道と、その盟友・一色ゆりの生涯を軸に、明治から戦後までを女性たちの連帯で照らし出す長篇小説。表紙では、蝋燭のともる樅の木を挟んで向かい合う二人の女性が、にじみを残した線描と淡彩でやわらかく描かれる。臙脂のドレスと白いブラウスの対比、くすんだ生成りの地に滲む朱や緑、揺らぐような筆致が、古い回想の頁をめくる手触りを伝える。題字は太い筆書きで中央に大きく据えられ、絵の親密さと物語の芯の強さを同時に灯している。

著望月麻衣
装丁bookwall
装画いとうあつき
ポプラ社 / 2023年
文学・評論