
研究室での日々をモチーフに、学問と師弟関係の純度を静かに描く長篇小説。表紙は人気のない廊下を正面から捉えたイラストで、白い扉と庇、灰青の壁、換気口、そして上部に小さく灯る赤い非常灯のような点だけが配される。明朝のタイトルは余白の上方に控えめに置かれ、人物の不在と均質な光が無音の気配を強めている。閉ざされた扉の向こうに広がる「静かな世界」を、視線を留める一点だけが示唆する装丁である。

著EverettPercival、木原善彦
装丁鈴木成一デザイン室
装画吉田雨水
河出書房新社 / 2025年
文学・評論