
書店を舞台に、現場で働く者の視点から店長への戸惑いと愛憎を綴る連作短編集。型破りな店長に振り回されながら、書店員たちは本と客への矜持を確かめていく。表紙は淡い水彩で描かれた書店の風景。手前にエプロン姿で本を抱えた女性店員、奥のレジには男性店員が立ち、平台に並ぶ書籍やワイヤーラックの什器が線画でやわらかく示される。タイトルは「バカ」の二文字だけが大きく抜き出され、他の文字との落差が物語のトーンを先取りする。日常の労働と小さな苛立ちを、にじむ筆致がやさしく包み込む一冊。

著群ようこ
装丁アルビレオ
装画樋口モエ
角川春樹事務所 / 2019年
文学・評論