
アウシュヴィッツを生き延びた化学者にして作家プリーモ・レーヴィが、生涯にわたって書き継いだ詩の全篇を収める。証言文学の作家として知られる彼が、散文では語りえなかった記憶と思索を韻律に託した一冊。白い余白の中央に、墨色のドローイングがうねるように堆積し、深い闇を抱え込む。線描の重なりは山影とも夜とも見え、原題「予期せぬ時に」の不穏な静けさを視覚化している。沈黙の中から立ちのぼる言葉、その手前の景色がここにある。

著EverettPercival、木原善彦
装丁鈴木成一デザイン室
装画吉田雨水
河出書房新社 / 2025年
文学・評論