一覧に戻る文学・評論汚れた手をそこで拭かない芦沢央何気ない日常の裏に潜む悪意や歪みを、抑えた筆致ですくい上げる短編集。グレー一色の背景に咲く一輪のピンクの薔薇、その茎を伝うようにあらわれる白い素足と赤く塗られた爪、画面を横切る有刺鉄線——美と暴力が同じ一枚に同居する合成写真が、表題の不穏をそのまま視覚化している。細い縦組みの明朝が、ぬるりと変容していく後味を静かに画面に留める。About出版社文藝春秋出版年2020年判型四六判 / A5判 サイズジャンル文学・評論Credits装丁大久保明子装画Q-TAAmazonで見る