
京都を舞台に、狸・天狗・人間が織りなす森見ワールドの第二作。先代亡き下鴨家の二代目・矢三郎の兄が英国から帰朝し、一族の運命が再び動き出す。表紙は京都の街並みを俯瞰した精緻な鳥瞰図で、瓦屋根の連なり、桜の薄紅、川筋の青緑、社寺を囲む濃い森が画面いっぱいに広がる。中央には鮮やかな黄緑のラベルが貼り込まれ、筆勢のある墨字のタイトルと著者名が据えられている。鳥の目で見下ろした都の賑わいと、そこに置かれた一枚の緑が、人ならぬ者たちが闊歩する街の気配を静かに立ち上らせている。

著EverettPercival、木原善彦
装丁鈴木成一デザイン室
装画吉田雨水
河出書房新社 / 2025年
文学・評論