
ニュージーランド出身、ヴァージニア・ウルフと並び称された20世紀初頭の作家による短篇集。郊外の家庭や少女たちの日常に、死や別離、不穏な気配が忍び寄る世界が描かれる。表紙は薄黄のバラ、淡い水色の小鳥、珊瑚色で線描された装飾的なティーカップが手描き風に重なり、白地に三色だけで構成された軽やかな画面をつくる。タイトル文字も同じ筆致で混ざり合い、絵と文字の境界がほどける。穏やかな色面の下に潜む裂け目を、淡い色彩の手仕事がそっと示している。
著長新太
装丁祖父江慎+藤井瑶
亜紀書房 / 2016年
コミック・ラノベ・BL