文学・評論
黒猫茶房の四季つづり 僕と偽執事と職人のこしあん事情 弐
菅沼理恵
黒猫が見守る茶房を舞台に、執事めいた男たちと少年が織りなす四季のつづり。和菓子のこしあんを巡る職人気質と日常の機微が、シリーズ二作目として静かに重ねられていく。表紙は深い臙脂の壁紙を背に、白い円卓を囲む三人と少年を俯瞰で捉えた一枚絵。和紙のような淡い質感の上に水彩の柔らかな筆致が乗り、卓上のシルエットの黒猫が物語の象徴として効いている。タイトルは縦組みの白抜き明朝で大胆に配し、繊細な人物画と力強い書体の対比が、甘味と人情の妙を予感させる。