
縄文遺跡から精密機械、出版ネットワークまで——なぜこの土地から、これほど多様な仕事や人が生まれたのか。御神渡りや寒天づくりといった具体的な営みを辿り、諏訪の地力を浮かび上がらせる歴史ノンフィクション。生成りの地に青一色で刷られたピクトグラムが、上から番号付きの山並み、整列する樹々、何かを掲げる人影、開かれた書物のような図像と段を成して並ぶ。広めの字間で据えられた明朝の題字とともに、土地の記憶を一覧に整理して差し出す静かな姿勢が立ち上がる。
著尾崎世界観
装丁古屋郁美
文藝春秋 / 2019年
文学・評論