
ウエルベックが描く、クローン技術によって反復される人類の遠未来。預言者を生んだ宗教団体の興亡と、そこから生まれたネオ・ヒューマンたちの孤独な独白が交差する長編小説。表紙には、無数の小さなガラス片かタイルが格子状に連なる構造体の写真が大きく据えられ、青と銀の冷たい光のなかに人影のような像が朧げに反射する。タイトルと原題、訳者名は上部の余白に細い明朝で慎ましく組まれ、過剰な装飾を排した構成が、複製と反復の果てに残る存在の輪郭を静かに浮かび上がらせている。

著EverettPercival、木原善彦
装丁鈴木成一デザイン室
装画吉田雨水
河出書房新社 / 2025年
文学・評論