
暴走するトロッコの前に太った男を突き落とせば五人を救える――倫理学で繰り返し議論されてきた「トロリー問題」を入口に、私たちが何を正しさと感じるのか、その直観の根拠を辿る一冊。白い余白を大きく取った表紙には、赤い大ぶりの和文タイトルと、線描きで軽やかに描かれた橋・路面電車・橋上の人物のイラストが配される。問いの重さと、寓話めいた図像の手触りの軽さ。その落差そのものが、思考実験という形式の妙を表しているように見える。

著EverettPercival、木原善彦
装丁鈴木成一デザイン室
装画吉田雨水
河出書房新社 / 2025年
文学・評論