
亡き娘の忘れ形見である孫と、その家族をめぐる祈りのような長編。失われたものを抱えながらも、それでも先へ進もうとする人々の姿が、静かな筆致で綴られる。表紙はキャップを目深に被り、白いパーカーを羽織って海辺に佇む少年の後ろ姿を、淡いブルーと白を基調とした透明感のあるイラストレーションで描く。題字は手書き風の細い墨文字で重ねられ、空と海の余白を断ち切らずに溶け込ませる。視線の先にある水平線が、本文の眼差しと静かに呼応している。

著EverettPercival、木原善彦
装丁鈴木成一デザイン室
装画吉田雨水
河出書房新社 / 2025年
文学・評論