一覧に戻る文学・評論透明人間 再出発横長の白い紙面に、緑がかったインクで手書きされた短い詩が、ページの中央に静かに置かれている。前を歩いていた人がだんだん半透明になり、やがてただの空気になった――その数行が、表題そのものを淡く告げる。草の上にひらりと差し出された手の小さな写真、本文を指す細い矢印、隅の丸い判子。誰かのノートを覗くような私的な余白の中に、消えてしまった存在へ向けたささやかな「再出発」の気配だけが、そっと残されている。About出版社寄藤文平出版年2011年ジャンル文学・評論Credits装丁寄藤文平+鈴木千佳子+文平銀座