
発酵学の第一人者が、世界各地の食をめぐる驚異と知恵を縦横に語る一冊。人類が自然の恵みをどう食に変えてきたかを、軽やかな語り口で読み解いていく。表紙は白地に深いオリーブグリーンの線画で、麦の穂、果実をもぐ人物、太い樹、足元の草花を伸びやかに描く。版画めいたかすれた筆致が素朴な原初の情景を立ち上げ、その上に明朝体のタイトルが落ち着いた黒で縦に重ねられる。図像と文字がほどよい余白の中で響き合い、食という営みが自然と地続きであることを静かに告げている。
装丁寄藤文平+鈴木千佳子+文平銀座
カバー写真浅田政志
寄藤文平 / 2013年