
1945年、終戦直後のベルリンを舞台に、ある殺人事件の真相を辿るひとりの少女の旅路を描く長篇。戦争と平和、加害と被害の境界を、瓦礫の街と人びとの記憶の中で問い直す物語である。カバーには、三つ編みを垂らした少女がこちらを見つめる油彩画が大きく据えられ、淡いクリームと灰、緑がかった陰影が荒い筆致で重ねられている。タイトルは鮮やかな朱で人物の前に置かれ、絵の静けさを破るように響く。瓦礫の街に立つ眼差しを、絵肌そのものが語っている。

著EverettPercival、木原善彦
装丁鈴木成一デザイン室
装画吉田雨水
河出書房新社 / 2025年
文学・評論