
路上に暮らした一人の女性が遺した複数冊のノートを、ワークショップに集った人々が読み、書き写し、語り合った記録。他者の手を経ることで残された言葉が形を取り直していく。表紙には水彩で青いシート状のものが描かれ、まわりを緑の葉が包み、足元には大小の石が散らばる。深い青の明朝で置かれたタイトルとクリーム色の地が、湿り気を含んだ筆致をやわらかく受けとめる。覆うこと、囲うこと、残すこと——その重なりを淡い画面が静かに示している。
著カルメン・マリア・マチャド
装丁鈴木千佳子
装画鈴木千佳子
エトセトラブックス / 2020年
文学・評論