
ニュージーランド初の女性首相として、銃規制やコロナ対応で世界的注目を集めたジャシンダ・アーダーンの評伝。テロや震災の現場で示された「共感」のリーダーシップを、母国の記者が間近から描き出す。鮮やかなグリーンを背景に、両手を広げて笑う本人のイラストを大きく配し、その手前に羊とキウイの置物を並べた机が広がる。手書き風のタイトル文字は白く抜かれ、政治書らしさを脱いで親しみと土地の気配を一枚に同居させている。装画と余白の取り方そのものが、彼女の語り口の温度を伝えてくる。

著伊野孝行、南伸坊
集英社 (発売) / 2022年
文学・評論