
宝くじで三億円を当てた男が、お金と幸せの答えを探して旅に出る長編小説。映画プロデューサーとしても知られる著者が、現代人とマネーの関係をめぐる三十日間の物語として描く。鮮やかなオレンジ一色に沈めた表紙には、皿に積み上げた札束を箸でつまみ、当惑した表情で口に運ぶ男のイラストが置かれる。タイトルの「億男」は白抜きの太い明朝で大きく配され、紙幣の山と並ぶことで「お金を食べる」という寓話的な構図を成立させている。鮮烈な色面と素朴な線画が、寓話のような軽みと主題の重さを同時に伝える一冊。

著EverettPercival、木原善彦
装丁鈴木成一デザイン室
装画吉田雨水
河出書房新社 / 2025年
文学・評論