
鳥の研究者が、進化的につながる「恐竜」という巨大なテーマに踏み込んでいく科学エッセイ。鳥類学の現場感覚で恐竜像を問い直す、軽妙でありながら骨太な一冊だ。カバーは、ジャングルの緑とオレンジの恐竜、空を舞う翼竜、双眼鏡を構える探検服の研究者たちを線画とフラットな色面で描いた密度の高い構図。題字は中央の縦長プレートに枠で囲い、図鑑や冒険記の標識のように立ち上がる。にぎやかな絵と端正な枠組みの拮抗が、奔放な思考と学術の節度が同居する本書の佇まいを伝える。

著宮田愛萌、渡辺祐真(スケザネ)
装丁大久保明子
装画北澤平祐
文藝春秋 / 2025年
文学・評論