
偶然」を背後で組み立てる秘密の存在を描いたイスラエル発の現代ファンタジー。指令に従い、自然に起こる出来事のように小さな仕掛けを配置していく者たちの物語。表紙は淡いターコイズブルーを地に、複数のフロアや階段が入れ子状に交錯する俯瞰の線描イラスト。書類を抱える人、階段を上る人、すれ違う人々の動きが幾何学的なレイアウトに散らされ、手書き調の英文タイトルが画面を横断する。一見無関係な人々の動線が一枚の図面に収まる構図そのものが、本書の主題を静かに告げている。
著平沢逸
装丁川名潤
カバー写真竹之内祐幸
講談社 / 2024年
文学・評論