
ラテンアメリカの新世代を代表する作家による短篇集。日常の裂け目から滲み出す不穏や暴力、女性たちの怒りと不安を、幻視的なホラーの筆致で描き出す。深い藍黒を背景に、赤いマントの死神、口を開けた犬、燭台、頭蓋骨、首から上を欠いた人物像といった象徴的なモチーフが、コラージュのように重ねられている。輪郭をにじませる手描きの筆致と、蛍光に近いピンク・水色が闇に浮かび上がり、物語に通底する幻覚的な恐ろしさをそのまま視覚化したような一冊。
著平沢逸
装丁川名潤
カバー写真竹之内祐幸
講談社 / 2024年
文学・評論