
昭和の暮らしから生まれた言葉を集めた一冊。「おい、羊羹とお茶もっといで!」という副題が示すように、いまでは耳にしなくなった言い回しを拾い上げ、その時代の空気ごと辞典に編み上げていく。白地に黒のシンプルな組版のうえを、鮮やかな黄色一色で刷られた擬人化された鳥のキャラクターが行き交う。お盆を運ぶ姿や走り回る姿に「がってんがってん」の手描き文字が添えられ、欧文と縦組み和文を罫線で仕切った辞典らしい骨格に、軽快なユーモアが差し込まれている。言葉の記録という落ち着いた営みを、肩肘張らずに開かせる装い。
装丁吉田考宏
吉田考宏 / 2012年
アート・建築・デザイン