
メキシコ国境地帯を舞台に、麻薬カルテルとそれに翻弄される人々の現実を追ったルポルタージュ。米墨国境を越える密輸ルート、警察と癒着するカルテル、軍隊並みに武装したパラミリタリーの抗争を、現地取材で克明に描き出す。表紙は鮮烈な赤地に米国南部とメキシコ北部の国境線地図を淡く刷り重ね、黒の太い明朝でタイトルを大きく置く。下半分には深い緑の帯が貼り付き、白抜きの「不条理な日常」という言葉が地と衝突するように浮かぶ。赤と緑、地図と活字の対比が、隣り合いながら引き裂かれていく大陸の温度をそのまま伝えている。
著BaconFrancis
装丁加藤賢策
求龍堂 / 2021年
アート・建築・デザイン