
コロナ禍を背景に、全国各地で星を見上げる中高生たちが天文活動を通じて遠くつながっていく群像小説。望遠鏡を構える少年を中心に、制服姿の少年少女たちが夜空を見上げる姿が描かれ、背後には長時間露光のような白い光跡が幾筋も流れ落ちる。深い藍に黄色の和文タイトルと細い筆記体の英文が重なり、群青と淡黄のコントラストが夏夜の透明感を立ち上げる。離れていてもひとつの空を共有する物語の温度が、装画と色面の構成からそのまま伝わってくる。
著石井玄
装丁西垂水敦+市川さつき+krran
装画ジュン+オソン
KADOKAWA / 2021年
文学・評論