
詩人が編集者を聞き手に、自作のはじまりから半世紀以上にわたる詩業を語り下ろしたロングインタビュー集。十代の習作から代表作の舞台裏まで、書くという行為の内側が肉声で辿られていく。表紙は紙の地を活かしたオフホワイトの上に、明朝の縦組みで書名と著者名を整然と並べ、欧文で「1942–2009」と詩作の年代を小さく置く。タイトルと著者名のあいだを区切るアスタリスクの列が、長い時間に打たれた小さな点描のように見える。余白が圧倒的に多く、語りの静けさと、詩というジャンルの呼吸そのものを装丁が引き受けている。
著三角みづ紀
装丁鈴木千佳子
装画塩川いづみ
ナナロク社 / 2020年
文学・評論