
書店「Title」の店主が、自身が選んだ大切な本について綴ったエッセイ集。画家が一冊ごとに描き起こした絵と文が呼応し、本をめぐる四十の景色を旅するように辿っていく一冊。表紙は明るいターコイズブルーを地に、雪原のような白と藍の風景のなかへ本棚と人物を据えたガッシュ画を中央に配する。手描きの厚みあるタッチが余白の鮮やかな平面と響き合い、タイトルは明朝の縦組みでゆったりと組まれ、絵本のような穏やかさが漂う。物語を読み解く眼差しそのものを、装画と書体の呼吸で静かに伝える表情の一冊。
著島楓果
装丁名久井直子
ナナロク社 / 2022年
文学・評論