
門司港のコンビニ「テンダネス門司港こがね村店」を舞台に、店を訪れる人々の悩みや人間模様を描く連作短編集の続編。表紙には夕暮れに染まる港町の広場が淡い水彩タッチで描かれ、煉瓦色の床面に光が反射する。ベンチで本を読む人物、欄干越しに港を眺める人物の姿が小さく置かれ、奥には洋館や観覧車を思わせる輪郭がにじむ。タイトルは縦組みで右に大きく流し、左上の作者名と丸枠の店名表示が画面を端正に締める。柔らかな光と静かな人影が、市井の物語が宿る場の余韻を伝える装丁。

著渡辺淳子
装丁鈴木久美
装画マメイケダ
光文社 / 2020年
文学・評論